自動精算機とセルフレジ（自動釣銭機）の違い

導入によって得られるメリットの面から、自動精算機・セルフレジ（自動釣銭機）の違いについて見ていきます。

自動精算機を導入するうえで一番のメリットとなるのが、積算業務の自動化・省人化です。顧客自身が端末で精算・会計を行うため、スタッフの人員配置や金銭授受が不要に。自動精算機の導入には高額の初期投資を必要とするものの、省人化によって人件費を削減でき、長い目で見たときのコストダウンを図れるメリットもあります。

自動精算機では、レジ締めをはじめとした売上管理業務も自動化できます。正確に精算するために時間のかかっていた売上管理業務の簡略化を図ることで、業務時間の短縮やスタッフの負担軽減が可能に。また、売上管理業務の自動化によって不正行為を防止できるメリットもあります。

精算会計業務の自動化によってスタッフの業務負担が軽減されるほか、お金を扱う責任からも解放されるため、精神的な余裕が生まれやすくなります。スタッフに顧客と向き合う余裕が生まれることで接客サービスの向上を図れ、スタッフのモチベーションや顧客満足度アップにつながる可能性も期待できます。

セルフレジを導入するメリットは、レジの会計待ち時間の短縮化を図れることです。商品の登録も消費者自身が行うフルセルフレジだと店舗スタッフに比べて時間はかかるものの、台数を増やすことで従来よりもレジ待ち時間そのものを短くすることができます。

いつ会計してもらえるか分からない不確実な時間は消費者にとってストレスになるため、自身のペースで登録や会計を行えるセルフレジは顧客満足度を維持しやすいのがポイントです。

店舗のスペースの問題でそれほど多くのセルフレジを導入できない場合は、時間がかかりやすい商品の登録までは慣れた店舗スタッフが行うセミセルフレジがおすすめ。セミセルフレジなら消費者は会計を行うだけなので、レジの回転率を上げることができます。それにより売上アップを図れるほか、混雑による消費者のストレスを回避することが可能です。

消費者自身が登録から会計までを行うセルフレジは、これまでの店舗スタッフによる会計とは違った体験を消費者に与えられます。特にお子さんなどはバーコードを読み込む作業を楽しめることが多いため、子どもを連れたファミリー層がメインターゲットとなる店舗なら、集客効果を期待してセルフレジの導入を検討してみるのも良いでしょう。

自動精算機かセルフレジかを選ぶ際は、そもそもどうして導入したいのかを洗い出すことが大切です。どのような課題を解決したいのか導入の目的を明確にすることで、自動精算機とセルフレジのどちらが適しているのかを検討しやすくなります。たとえばレセコンと連動させて会計業務を完全に自動化するなら自動精算機、金銭授受のみを自動化したいならセルフレジが適しています。

対応している決済方法の種類も、導入する機種を選ぶうえで重要なポイントです。クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレス決済を利用する人が増えているため、対応可能な決済方法の選択肢を増やすことで、顧客にとっての利便性や満足度の向上につなげられます。

また、導入する側にとっても、キャッシュレス決済は準備金を減らせるメリットがあり。ただし、決済手数料がかかるため、その点も考慮しながら対応可能な決済方法を確認すると良いでしょう。

自動精算機やセルフレジは顧客が操作することになるため、使いやすいかどうかも重要です。分かりにくい操作性だとスタッフが顧客からの質問に対応しなければならず、せっかく導入しても業務の効率化を図れなくなってしまいます。また、締め作業の操作性や異なる決済手段の一元管理が可能かどうかもチェックしておきましょう。

新規開業ではなく既存の店舗に自動精算機やセルフレジを導入する場合、設置場所を確保できるかどうか、機種のサイズを確認しておくことも大切です。設置場所についても、顧客やスタッフの導線を考慮して考えるとスムーズに導入しやすくなります。

自動精算機やセルフレジの導入費用を抑えたいのであれば、行政や各自治体、商工会議所などが設けている補助金や助成金を活用できるか確認しましょう。

自動精算機やセルフレジを導入する際に申請できる補助金・助成金には、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金、ものづくり補助金、業務改善助成金などがあげられます。補助金や助成金によって受給条件が異なるため、補助金・助成金の対象機種かどうかを必ず確認しておくことが重要です。