店舗業務の効率化

業務効率化は、店舗運営における特に大きな課題の一つ。こちらでは、業務効率化を実現するためのポイントを中心に解説しています。「たくさんの課題があるものの、どこから着手すべきか分からない」といった悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

接客業は人手不足

慢性的な人手不足のなか、従業員に対する充分な教育をするゆとりがない、といった状況下なる接客業の店舗も多いかもしれません。職場環境に不満を感じて辞めていく従業員が多いと、ただでさえ時間やゆとりが不足している店舗運営を改善することはさらに難しくなるでしょう。

この状態は、言わば負のスパイラルに突入してしまっている状況です。より健全な店舗運営を目指すためにはどのような方法があるのでしょうか。

店舗運営の基本的な業務内容

店づくり業務

店内のレイアウトや商品の陳列の仕方によりお店の印象は変わってくるため、お客さんが入店したくなるようなお店づくりを目指しましょう。購入につなげるためには、まずはお客さんに手に取ってもらう必要があります。きれいに陳列すれば良いというわけではなく、手に取りやすく、また手に取ってみたくなる見せ方にする必要があります。

スタッフの導線を意識したレイアウトにすることも大切です。スタッフが効率的に動ける導線づくりができれば接客品質向上につながり、顧客満足度をあげることが可能となります。

マネジメント業務

マネジメント業務とは店舗全体のマネジメントを行う業務です。売上を管理し戦略を立てたり、商品の需要に合わせて在庫管理や仕入れを行ったりすることで売上向上を目指します。

また、繁忙期・閑散期などに合わせてスタッフ数を適正化することができれば、人件費の削減にもつながります。人手不足解消のためには、研修やキャリアアップの仕組みを整えたりして従業員にとって居心地の良い環境づくりを行うことも大切です。

売上管理業務

売上管理では、売上を正確に把握することが重要です。どの商品が売れ筋なのかや、どの価格帯が売れているのかなどを分析し、販売戦略を立てることで売上を向上させることができるでしょう。

細かく売上をチェックしたり分析したりすることで今後の対策を練ることができ、今後の売上改善につながります。時間軸だけでなく、商品セグメント別や地域別などさまざまな切り口で集計すれば、より緻密な戦略を立てることができるでしょう。

在庫管理業務

在庫管理は、適切な在庫量のコントロールや品質の管理を行う業務です。販売できなくなってしまった商品や、売れ残ってしまった商品、古くなってしまった商品などの在庫を廃棄することも業務に含まれます。

売上向上のためには品切れによる販売機会の損失を防ぐ必要がありますが、仕入れ量を間違えると過剰在庫を抱えることになっていまいます。売上傾向を分析・把握し、適正な在庫数をキープすることが大切です。

人材管理業務

人材管理はスタッフのシフト管理や勤怠管理だけでなく、人材の配置やスタッフの採用活動、指導や教育、評価制度の整備まで幅広い業務を行う必要があります。パート・アルバイトスタッフは出入りが激しいケースが多く、採用業務は日常的に発生するでしょう。

人材を採用すれば教育が必要となり、マニュアルや研修、OJTなどを通して実際の業務を覚えてもらうための環境づくりを行います。人材管理では、人手不足を解消するためにも働きやすい環境を提供することが重要です。

業務効率化できるポイントの見つけ方

業務効率を向上させるための対策を講じるにあたって、「ECRS(イクルス)の原則」が役に立つでしょう。ECRSとは、業務改善を実現するために求められる考え方を時系列に英単語で4つ並べ、その頭文字を合わせた表現です。
それぞれ、「Eliminate:排除/Combine:結合と分離/Rearrange:入替えと代替/Simplify:簡素化」の意味を持つ単語の並びから構成されています。

ECRSの原則は、もともとは製造業の生産性向上を実現するために生まれた考え方です。内容はつぎのとおりです。

  • Eliminate:排除
  • 特に顧客満足度などの観点において支障が生じない作業を業務から排除してしまうという考え方です。過剰なサービスや定時報告、資料作成など、見直してみると実は無駄だった作業が見つかることがあります。それらの作業を排除し、本当に必要な作業に割く時間や労力を確保するのです。

  • Combine:結合と分離
  • 次に行うべきは、性質が似ている業務を一つにしたり、あるいは「これまでまとめて扱っていたけれども、性質が異なる複数の業務」があれば、それらを分離していくことです。たとえば、商品を補充する作業と陳列作業をばらばらに行うことが効率を低下させているのであれば、それらを「結合」するようにします。

  • Rearrange:入替えと代替
  • 作業プロセスを見直し、作業を行う順番を入れ替えることで効率化を目指します。

  • Simplify:簡素化
  • 最後に、作業プロセスを簡素化。つまり、もっとシンプルに作業を行えないか、といった点について検討します。たとえば、情報のシェアをオンライン化することで、簡素化が可能になる場合などもあります。

業務効率化を行うメリットとは?

店舗業務の効率化を図るメリットには、どのようなものがあるのかについて解説します。

生産性の向上

業務効率化を行うメリットの1つが、生産性の向上です。生産性の向上を実現すれば、同じ作業でも必要な工数や人員を抑えることができるため、人手不足に悩む店舗にとっては大きなメリットになります。また、時間や人員をほかの作業にまわすことも可能となり、利益率の向上やコスト削減、ワークライフバランスの改善といった効果も期待できます。

コスト削減につながる

業務効率化によって1つの作業にかける時間を少なくすることで、人件費の削減が可能になります。人件費は削減したほうが店舗にとって有益なのは分かっていても、人手不足が心配という店舗にとってはなかなか手をつけられない問題です。

業務効率化によって人員を減らしても問題ない体制をつくることができれば、人手不足になることなくコスト削減を叶えられます。人件費の削減に効果的な方法の1つが、業務効率化のためのツールの導入です。一時的なコストはかかりますが、長期的に人件費を下げられると考えると、メリットの大きい方法になります。

従業員の離職率低下につながる

業務効率化は働き方改革につながるため、経営者だけでなく、従業員にとってもメリットがあります。たとえば業務効率化によって時短勤務やテレワークが可能な体制を整えることで、子育てや介護などで通常時間での就業が難しい従業員でも、離職することなく働き続けることができます。

また、業務効率化はワークライフバランスの改善も見込め、従業員が仕事やプライベートを両立できる環境を整えることができれば、やりがいや満足度の向上を目指すことが可能。この企業で働き続けたいと思える労働環境をつくることで、従業員の離職率低下を実現できます。

従業員にとって満足度の高い労働環境は、そのほかの労働者にとっても魅力的にうつることが多く、優秀な人材を確保しやすくなるのもポイント。業務効率化によって優秀な人材から選ばれる企業になることで、企業の質の向上や、さらなる発展へとつながる可能性が高まります。

業務効率化を行う際のポイント

実際に業務効率化を行ううえで、意識したいポイントについて見ていきましょう。

現状を把握する

業務効率化を行う前準備として、まずは業務の現状を把握することが大切です。現状をスムーズに把握・整理するためにも、普段行っている業務を一通りリスト化してみましょう。接客の姿勢や混雑時の細かい行動などリスト化しにくい要素もあると思いますが、その場合は実際に目で確かめながら現状を把握するのがおすすめです。

問題点と改善点を洗い出す

業務の現状についての把握・整理が完了したら、ECRSの原則をもとに業務の問題点と改善点を洗い出しましょう。問題点を洗い出す際は経営者目線で考えるのではなく、実際に現場で働くスタッフも交えて話し合うことで、リアルな現場の問題点を見つけやすくなります。また、スタッフの声に耳を傾けることで、より現場の業務に適した改善策を考案しやすくなるでしょう。

マニュアルの作成・共有

問題点の洗い出しと改善点が固まったら、マニュアルの作成に取り掛かります。マニュアルを作成する際は、誰が見ても分かりやすい内容にするのがポイントです。新人スタッフでもすぐに理解できる構成を意識すると良いでしょう。また、長文だと頭に入りにくいため、簡潔にまとめることも重要です。

マニュアルを作成する際の注意点は以下の通りになります。

・作成前に掲載する項目を決める
・項目は「基本マニュアル」「業務マニュアル」「緊急マニュアル」で分ける
・分かりやすい簡潔な文章を意識する
・分かりやすく伝えるために写真やイラストなどを使う
・必要な情報をすぐに確認できるように目次を設ける

マニュアルを作成したら、従業員同士でマニュアルを共有することも大切です。共有のマニュアルによって口頭での業務指導の手間や業務解釈のズレを防げ、的確な業務や効率化を図れます。マニュアルは紙媒体で作成しても問題ありませんが、従業員専用のアプリで閲覧できるようにすれば、マニュアルの利便性がより高まります。

マニュアルの見直し

作成したマニュアルは定期的に見直すことも重要です。なぜなら、マニュアルを作成した当時にはなかった新たな問題が現場で発生している可能性もあり、マニュアルを読んでも対処できない状況になっていては意味がないからです。マニュアルは作成するのが目的ではなく、現場で発生する問題に速やかに対処して業務効率化を図るのが目的、というのを忘れないようにしましょう。

マニュアルが役割を十分に発揮するためにも、現場の状況を積極的に観察し、見直しが必要な箇所がないかをチェックすることが大切です。経営者目線だと細かい問題に気づきにくいため、実際にマニュアルを使用する従業員に改善の必要があるか話を聞いてみるのも良いでしょう。

ツール活用で業務効率化

売上管理や勤怠管理などに関しては、ツールも活用していくことで人的工数の削減につなげられることがあります。ちなみに、ここで言う「ツール」とは、店舗管理システムと呼ばれるデジタルツールのこと。さまざまな管理作業をシステムと連携することで、複数店舗の管理業務の標準化が可能になります。また、在庫除法や売上をリアルタイムで確認できるため、今後の売上アップのための戦略にもつなげやすくなるでしょう。

さらに、ツール導入は勤怠管理の効率化にもつながります。アナログな方法で集計作業やシフト作成をしていると、その煩雑さからかなりの手間がかかるだけでなく、ミスも発生しやすくなります。店舗管理システムを用いることで、そのような問題点も解決できるようになります。

自動精算機が叶える業務効率化

接客業務の効率化において注目したいのが、「自動精算機」の導入。自動精算機がもたらす業務効率化のポイントについて見ていきましょう。

精算業務の効率化

近頃は、現金だけでなくクレジットカードや電子マネーを用いた決済方法も一般的になっています。さまざまな決済手段に対応している自動精算機があれば、よりスピーディーな精算業務が可能になるでしょう。また、会計の待ち時間が少なくなるため、お客さんにとってもメリットが。店舗とお客さん、どちらにとってもメリットが生まれるため、単なる業務の効率化には留まらない魅力があります。

従業員教育の効率化

自動精算機があれば、お客さんは自分で会計処理を済ませられるようになるため、精算業務にかける人手を削減できます。よって、これまでかかっていたレクチャーなどの教育にかかる時間も削減でき、従業員教育の効率化が期待できます。

業務効率化によってさまざまな課題を改善

業務効率化を実現することで、店舗運営において時間的なゆとりが生まれます。その分を接客の充実やサービスの質向上に充てられるようになるため、結果的に顧客満足度アップにつなげることが可能になるのです。業務効率化は、単に店舗側の負担を減らすだけでなく、来店するお客さんにとっても良い方向に作用します。双方にとってのメリットを生み出すことからも、店舗運営のなかでも特に意識したい課題だと言えるでしょう。

業種に合わせたカスタマイズ機能をもつ
自動精算機会社3選

さまざまな自動精算機の販売会社の中から、店舗の「売上アップ」に寄与する機能に注目。
導入業種の豊富さと顧客満足度を高める機能に注目して導入業種が多く、連動機能が多い3社を紹介します。(2021年4月時点)

スターランド

業種・業態に合わせ機能を自由にカスタマイズ
連動機能 12種

カラオケ業界No1!POSシステムとの連動で施設を省力化

導入業種

  • カラオケ※実績NO1
  • アミューズメント施設
  • キッズ施設
  • 駐車場施設
  • 温浴施設
  • サウナ施設
  • 宿泊施設
  • ネットカフェ
  • 飲食店

キャッシュレス決済

  • クレジットカード
  • 電子マネー
  • デビットカード
  • 銀聯カード
  • QRコード

アルメックス

長い販売実績から蓄積したノウハウを搭載
連動機能 9種

クリニックの受付から精算、再来受付までトータルでサポート

導入業種

  • クリニック※導入実績多数
  • 調剤薬局
  • 動物病院
  • レジャーホテル
  • ホテル
  • 飲食店
  • ゴルフ場

キャッシュレス決済

  • クレジットカード
  • 電子マネー
  • QRコード

システムギア

目的別の精算機が2タイプ多彩なカラー数
連動機能 8種

スピードチェックインでホテルフロントの滞在時間を短縮

導入業種

  • ホテル※導入実績多数
  • フィットネスクラブ
  • ゴルフ場
  • 大学
  • 図書館
  • クリニック
  • 金融機関

キャッシュレス決済

  • クレジットカード

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