シフト管理は、必要な仕事をいつ誰が行うのか決め、具体的にスタッフを割り当て、無理や無駄なく業務を進められるように管理・改善していく作業。特にシフト制の店舗では、運営していくために無くてはならない仕事です。
シフト管理を行う上で大切なのが「先を見通す力」。これまでのデータを元に無駄な時間や空きが出ないようスタッフを割り当てる「シフト表の作成」だけでは、シフト管理とは呼べません。次月にあるイベントや異動などを踏まえ、今月とは違った状況になることを見通しながら、無理や無駄のないシフト計画が必要です。
シフト管理が先を見通すために有効だという認識は、残念ながらまだそこまで浸透していません。シフト表を作る作業一つとっても、先を計画する意識があるかどうかで、店舗の営業成績は大きく左右されます。
まずはどんな作業が必要で、それは何人のスタッフが何時間で対応できる作業なのかを洗い出します。飲食店なら受付・調理・配膳・片付け、アミューズメント施設であれば受付・掃除・フォローなど。各曜日や時間帯での利用客の多さを考えながら、何人いれば回るかを考えます。
この時に、先を見通すことも意識してみましょう。次月は近くでイベントがあったり、大型連休があるなど、利用客の増加が考えられませんか?スタッフの中に異動やお休みが決まっている方、退職を希望している方は?先を予測しながら、柔軟に対応できるシフト計画ができると不測の事態に備えられます。今のスタッフ数だとシフトに余裕がない場合、新しい人の採用を考えるタイミングかもしれません。
各作業や配置人数がおおよそ決まったら、スタッフからシフトの希望日を集めます。ギリギリになると予定が埋まってしまったり、うまくシフトを組んで調整する時間がなくなってしまうため、できるだけ早めに希望日を確認するようにしましょう。また学生のパートスタッフがいる場合、テスト期間や行事などあらかじめお休みが必要な予定が決まったら、その時点で早めに連絡してもらうようにするとシフト計画をしやすくなります。
提出してもらったシフト希望を元に、それぞれの日に誰に出勤してもらうかを決めていきます。スタッフの特性や能力がわかると、無駄のないシフト作成に繋がるので把握しておきましょう。また、人間関係を考慮することも大切です。仲が悪いスタッフ同士でシフトを組んでしまうと、コミュニケーションが上手くとれず業務が滞ってしまう可能性があります。他のスタッフと会話している姿を見たり、誰と一緒のシフトの時に仕事が早いか、もしくは時間がかかってしまうかを確認しながらシフトを作成すると、仕事が円滑にまわるでしょう。
誰がいつ出勤するのかが決まったら、具体的にどの作業を担当してもらうかを決めます。割当計画と呼ばれる作業です。優先度の高い業務から、何時から何時間、誰に担当してもらうのか割当ていくと1日分の作業割当表が完成します。予定していた業務の中で溢れてしまったものがあれば、翌日以降にまわしても問題ないか、行なわなくても良いか判断しましょう。誰がいつ何をするかが全て決まったら、無理のない配置にできているかもう一度見直し、みんなに配布。仕事の進み方を見て、次月のシフト作成の時に活かします。この繰り返しで管理・改善を進めるのがシフト管理です。
シフト表を作成する際には、スタッフそれぞれの希望を汲みながらパズルのように無駄なくシフトを組んでいく必要があります。スタッフの出勤希望日がキレイに分かれていれば簡単ですが、そう上手くはいかないことがほとんどでしょう。公平性が保てなかったり、シフトが埋まらなかったりすることも多々あります。手間を0にすることは難しいですが、シフト作成ツールやスタッフの希望を可視化できるツールを導入することで、効率化を図れるでしょう。
無駄のないシフト作成を考える上で迷うのが、急な欠勤への備え。体調不良や家庭の事情での急な欠勤は防ぎようがありませんが、そのために毎回人員を多めに配置するのは非効率です。スタッフそれぞれのライフスタイルをある程度把握しておき、もしもの時にすぐヘルプを依頼できるように備えておきましょう。事前に急な要請の可能性があることを伝え、「平日夜なら入りやすい」「土日祝日なら融通がきく」といった状況を確認し記録しておくのがおすすめです。
たくさんのスタッフがいる店舗の場合、選択肢が多いため人員配置に悩んでしまうこともあるでしょう。何かあった時に対応できるよう人数を増やしてしまうと、閑散日だった場合に人件費の無駄が多くなってしまいます。人員配置の数は時期や売上に合わせて考えると難しくありません。売上が多い時期(=利用者が多い時期)はスタッフの数も多く、売上の少ない時期(利用者が少ない時期)はスタッフの数も少なく配置できます。売上を元に利益を増やすには人件費をどれだけに抑える必要があるか把握し、人数を割当てみましょう。
「休みの希望は3日まで」「土日どちらかを休む場合、もう一方の休み希望は原則禁止」といった希望シフトの提出ルールを決めておくと、みんなから自由に希望を出されるよりもシフトを組みやすくなります。特にお休み希望についてのルールを設けておくと、休み希望だらけになってしまうことを防げるでしょう。統一のルールとして設けておけば公平性も保たれ、人によって出勤時間や休みの取り方に差が出ることを防げます。
シフト管理表の大きな枠組みをあらかじめ作っておき、空欄を埋めながらシフトを調整できるようになれば、毎回ゼロから作成するよりも時短になります。時間単位で管理するのか、人単位で管理するのか、作業ごとに管理するのかなど、どのような項目を用意すれば仕事を円滑に進めやすいかは店舗によってそれぞれです。勤務時間の管理や報告書にまとめる際に必要な項目を洗い出し、シフトがわかりやすいだけでなく、分析や改善にも繋げやすいフォーマットを用意しておくと一連の業務がスムーズになります。
提出期限を設けるときのポイントは、余裕を持った期限にすることです。提出期限が短すぎるとあわただしく、ミスや不満が生じやすくなります。提出期限に余裕があると、スタッフはゆとりを持って希望を提出できるので、シフト管理者も十分な時間を使ってシフト調整ができるのは高ポイントです。
いくらシフト管理に工夫していても、希望シフトを削ったりシフトの確定が遅れたりなどやむを得ない事情は起こります。その際スタッフが納得して働けるよう、日頃からコミュニケーションを大切にしておきましょう。スタッフとの信頼関係を築くことができ、スケジューリングに対する理解が深まります。
スタッフそれぞれのスキルや得意業務などを正確に理解しておくことが大切です。スキルに合ったタスクを任せることで業務効率が向上し、スタッフのモチベーションも高まるからです。スタッフとのコミュニケーションで彼らの強みや弱みを理解し、シフト作成に活かしましょう。
MH(マンアワー)とは「人時」とも呼ばれる単位で、ひとりが仕事をすべて行った際の所要時間を表します。「作業人数×時間」で出すことができ、この単位を活用することで行った作業や労働を統一的に評価できます。MHを把握すれば、適切なスタッフ配置とスケジュール管理が可能です。
近年ではさまざまなシフト管理システムが登場しているため、システムを導入して効率化を図るのも有効です。ものにもよりますが、希望シフトの収集から調整、シフトの作成を自動で行なってくれるものも。機能が多いほど導入に費用がかかりますが、シフト調整やシフト表作成の時間を短縮できれば、そのぶん他の業務に入って売上向上を目指せます。毎月のシフト調整に多くの時間を割いている店舗はシステムの導入を考えてみると良いでしょう。
「毎月発生するシフト表を作成する業務」と考えがちなシフト管理ですが、次月の店舗状況を予想したり、考えうるトラブルを予想して事前に備えたり、先を見通すことで店舗の売上に大きな影響を及ぼせます。
ツールを導入すれば効率化を図れますが、シフト管理は売上や利用客の変動、スタッフなど様々な要素を考慮する必要がある繊細な作業。店舗業務を全体的に効率化したいなら、シフト管理以外の業務効率化を図るのがおすすめです。大きな省力化に繋がるものとしておすすめなのは自動精算機の導入。レジ打ちや支払いの自動化、電子マネーへの対応などができ、対応スタッフの数を減らしながらも利用者の増加が期待できます。
さまざまな自動精算機の販売会社の中から、店舗の「売上アップ」に寄与する機能に注目。
導入業種の豊富さと顧客満足度を高める機能に注目して導入業種が多く、連動機能が多い3社を紹介します。(2021年4月時点)
スターランド
連動機能 | 12種 |
カラオケ業界No1!POSシステムとの連動で施設を省力化
導入業種
キャッシュレス決済
アルメックス
連動機能 | 9種 |
クリニックの受付から精算、再来受付までトータルでサポート
導入業種
キャッシュレス決済
システムギア
連動機能 | 8種 |
スピードチェックインでホテルフロントの滞在時間を短縮
導入業種
キャッシュレス決済
※2021年4月時点 特化した機能と導入実績が多い順 各社公式サイトを参照 編集チーム調べ