アルバイトを
即戦力化させる教育

新人アルバイトを即戦力化するためには、まずは「自分は歓迎されている」と感じてもらう必要があります。

そこで教育担当者の簡単な自己紹介から始めましょう。勤務を始めてから何年目なのか、どんな仕事をしていて、なぜこの職場で働いているのかなどを話します。難しい言葉は使わずに敬意をもって接してください。簡単な質問を混ぜながら、互いに自己紹介ができると良いでしょう。

もしもロボットを相手にするなら、作業手順を淡々と教れば良いでしょう。しかし人に教えるときは、作業内容よりもまず「マインド」を理解してもらうことが重要です。

マインドとは、どのような店舗を目指しているのか・理想のサービスとは何か・どのような価値を顧客へ提供したいのかといったもの。マインドを理解すると、仕事へのモチベーションを感じやすくなります。教育担当者や他のスタッフの熱意が伝われば「自分もこんな風に働きたい！」とやる気や成長を見せてくれるでしょう。

新人アルバイトにとって「なぜその作業を行う必要があるのか」を理解することは大切です。作業の意味や重要性を説明することで、仕事の理解度は格段にアップします。また意味を理解していれば、臨機応変な対応力も育つでしょう。

アルバイトの即戦力化を期待するのなら、全体の仕事の流れを説明してから細かい作業手順を教えるのが良いでしょう。仕事の全体像が見えていないと、新人アルバイトは一つひとつの作業に自信を持てなくなってしまいます。都度教えるのではなく、全体像を教えたうえで、詳細やイレギュラー対応などについて繰り返し指導するのが効果的です。

アルバイト自身が「この職場には自分の居場所がある」と感じることが重要です。居場所のある職場は居心地がよく、役に立ちたい・成長しようという気持ちが生まれます。

居場所をつくる方法としては、名前を呼んで挨拶をする・簡単な会話をする・困っていることがあるようなら丁寧に対応してあげるなどがあります。

教育担当者と良好な関係を築くことはもちろん、他のスタッフともコミュニケーションを取りやすい環境をつくってあげましょう。たとえば他のスタッフとお互いに自己紹介をする機会を設けたり、スタッフの休憩中に新人アルバイトも交えて会話をしたりするのがおすすめです。

いつまでも仕事を任せてもらえなければ、新人アルバイトは「自分は迷惑をかけている」「不要なのかも」と感じてしまいます。教えた仕事を一つひとつ任せていくことで、信頼や成長を得られるのです。

教育担当者が忙しい場合、トレーニング中につい作業を自分でやってしまうこともあるでしょう。教えるのを面倒に感じてしまうこともあるかもしれません。すると新人アルバイトは「仕事をきちんと教えてくれない」と感じるようになり、退職リスクが高まります。

仕事内容をマニュアル化している職場は多いでしょう。マニュアルは上手く使えばトレーニングの効率化を図れますが、マニュアル任せの教育では人材を育成できません。

まずは新人アルバイトがマニュアルに目を通しておき、改めて教育担当者が重要事項も含めた説明を行うのが理想的です。一度教えたことを忘れたり間違えてしまったりする場合でも、根気よく丁寧に教えることが大切。困っていることがないか声をかけたり、質問をして理解度を測ったりするのもおすすめです。

新人アルバイトのモチベーションは「任された仕事をやり遂げたとき」や「自分のアイデアで良い仕事ができたとき」などにアップします。

店舗運営では、マニュアルに載っていないようなイレギュラーが多発します。「なぜこの作業が必要なのか」を理解していなければ、臨機応変な対応は望めないでしょう。

また作業の意味や重要性を理解していると、アルバイト自身に「こうしたらもっと良いのではないか」という考えが浮かぶことも。アルバイトが意欲的に成長していくことで、店舗サービスの質が安定するでしょう。

アルバイトの即戦力化を実現するために「居場所をつくる」「仕事の意味や重要性を理解してもらう」「教えた上で仕事を任せて信頼や期待を示す」といったポイントを実践してみましょう。

また店舗でより良いサービスを提供するためには、必要に応じて作業の省力化・省人化を図ることも大切。自動精算機の導入によって業務効率化を実現できれば生産性も上がるでしょう。