現在、温浴施設は銭湯やサウナ、健康ランド、スーパー銭湯、スパなど、さまざまな業態・呼称が存在しています。温浴業態に対する呼称には明確な基準がなく、施設規模や入浴料の大小、館内着や天然温泉の有無、コンセプトなどによって感覚的に区別されているような状況です。
近年では、競合との差別化を図って近隣との違いを打ち出す温浴施設が増えてきました。小型化や値下げをしたり、逆にハイグレードな施設にするなど、ターゲット層に合わせたブランディングが行われています。このような流れによって、業態を区別する基準はさらに曖昧になり、各業態を明確に区別することはもはや不可能とも言える状態になっています。
近年、サウナ愛好家人口が増えてきていることもあり、今後はサウナを中心に新規参入が多くなることが予想されます。サブスクリプションサービスで月額料金を支払えば使い放題になる施設も出てきました。また、女性専用サウナや個室サウナなども登場し、今後も引き続き競合との競争は激化することになるでしょう。
また、インバウンド需要の回復や高齢化社会の到来、健康志向の高まりなどにより、今後も温浴施設に訪れる人は増加し、長期的にその傾向は続いていくと考えられます。感染症の影響で従業員が減っている施設も多く、人手不足は大きな課題になります。
日本政府観光局による訪日外客数の統計データによると2012年から2019年まで外国人観光客が増え続けております。(※1)観光客が増えると温浴サービスを含む宿泊業やなどの利用者も増え、宿泊・温浴・飲食などのサービス業全体として見ても、仕事が回らずにパンクしてしまう構図が容易に想像されます。
人手不足に懸念のある業界であるにも関わらず、厚生労働省「平成 30 年就労条件総合調査の概況」による年間休日総数の1企業平均では「宿泊業、飲食サービス業」は97.1日で各産業の中でも一番短いという結果です。(※2)サービスの特性上、土日・祝日などに来客が多く営業日になっていることが原因とも考えられるでしょう。
※1 参照元:日本政府観光局|年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移
※2 参照元:厚生労働省|平成30年就労条件総合調査の概況
外国人観光客の増加や、待遇の低さをすぐに改善することは困難かもしれません。少子高齢化も追い討ちをかけている状況です。働き方変革が叫ばれていますが、従業員1人1人の働き方を改善しても、なかなか目に見えた成果に結びつけるのは難しいと言わざるをえません。ですが、現状の従業員人数と労働量の比率を変えるという観点であれば、改善の余地はあります。労働の一部を機械に担ってもらうのです。
自動精算機を導入することにより、受付業務の負担を大きく減らすことが可能です。従来は、受付後に割り当てられた部屋のキーを渡し、精算という流れでしたが、機械の導入が後半部分の作業を請け負ってくれます。また、お客様があらかじめインターネット予約をしている場合、QRコードの読み取りだけですべての受付業務を済ませることもできるかもしれません。受付業務のリソースを他の部門に回すことにより、ホテル全体として大きな業務効率改善に繋がります。
PMSとは、旅館・ホテルなどの宿泊施設を対象とした管理システムのことです。料金精算のほか、宿泊予約や残りの部屋数などの情報をまとめて管理するために使用されます。
さらに、お客さんからの満足度をアップさせるために役立つ、予約経路や注意事項を含むメッセージなどといったさまざまなデータ分析をする機能も搭載されています。
PMSの導入は人手不足の解消が期待できるということから、現在、大型のリゾートホテルやシティホテル、ビジネスホテルなど、ホテルを中心に導入が進んでいます。
今後、ホテル以外の宿泊施設においても、PMSの導入は進んでいくことでしょう。
PMSには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。オンプレミス型はサーバーを自社で運用する方法になるため、ハードウェアを設置する必要があります。また、初期費用が高い場合が多いです。
一方、クラウド型はハードウェアの設置スペースや初期費用が不要なだけでなく、バージョンアップなども業者に任せられるため、手間がかからない点がポイント。セキュリティ対策がしっかりと整備されているものであれば、クラウド型がおすすめです。
PMSのみの導入でも宿泊施設の業務効率化は可能ですが、PMSに自動精算機を連動させることでさらなる効率化が目指せ、人手不足の問題解消に大きな期待ができます。
多くの機能が搭載された自動精算機であれば、効率的にフロント業務の処理が可能です。ICカードキーの発行や領収書作成などに対応しているものもあるため、各種機能をPMSに連携させることで、効率的かつミスの少ない施設運営が可能になるでしょう。
さまざまな自動精算機の販売会社の中から、店舗の「売上アップ」に寄与する機能に注目。
導入業種の豊富さと顧客満足度を高める機能に注目して導入業種が多く、連動機能が多い3社を紹介します。(2021年4月時点)
スターランド
連動機能 | 12種 |
カラオケ業界No1!POSシステムとの連動で施設を省力化
導入業種
キャッシュレス決済
アルメックス
連動機能 | 9種 |
クリニックの受付から精算、再来受付までトータルでサポート
導入業種
キャッシュレス決済
システムギア
連動機能 | 8種 |
スピードチェックインでホテルフロントの滞在時間を短縮
導入業種
キャッシュレス決済
※2021年4月時点 特化した機能と導入実績が多い順 各社公式サイトを参照 編集チーム調べ