人時生産性(にんじせいさんせい)とは、従業員1人が1時間働いたときの生産性のこと。企業が投入した労働量(総労働時間)に対して、どのくらいの粗利益があったのかを判断する際に用いられます。
人時生産性の数値が高い場合には生産効率が良く、反対に人時生産性の数値が低い場合には生産効率が低いということになります。人時生産性の数値が高い企業ほど、優秀な企業だと判断できるでしょう。
【例】従業員10人が、10時間で50万円を売り上げたとき(※コストは12万円)
(売上50万円-コスト15万円)÷(10人×10時間)=人時生産性3,500円
人時生産性と似たものに、人時売上高があります。人時売上高とは、従業員1人が1時間働いたときの売上高のこと。売上高は純粋な売上高のみであるのに対して、粗利益は売上高から材料費や人件費などのコストを引いています。
人時生産性と人時売上高の違いは「売上高からコストを引いた粗利益」と「純粋な売上高」のどちらを用いるかどうか。人時売上高は企業の売り上げ規模を測る際に用いられており、飲食店で重要視されることが多い指標です。
【例】従業員10人が、10時間で50万円を売り上げたとき(※コストは12万円)
売上50万円÷(10人×10時間)=人時売上高5,000円
※人時売上高では、コストを含みません。
労働生産性とは、労働者数または労働時間に対して生産される成果物の割合を示しています。たとえば、労働者1人あたり(または労働1時間あたり)がどれほどの成果(生産数量や付加価値)を上げられたかを判断できます。
労働生産性は従業員全体での労働時間を基準とする場合もあれば、従業員の総数を基準とする場合もあります。そのため人時生産性は労働生産性に含まれるものの、人時生産性の方がより限定的な指標であるといえるでしょう。
【例】従業員10人が10時間で300個の製品を生産したとき。下記2つのいずれかの式を使います。
1.生産数量300個÷(10人×10時間)=労働生産性3個/時間
2.生産数量300個÷10人=労働生産性30個/人
人時生産性は、以下の計算式で求められます。
人時生産性=粗利益÷総労働時間
粗利益とは、売上高からコストを引いたものです。また総労働時間は従業員数に労働時間を掛けて求めます。
たとえば従業員10人が10時間かけて35万円の粗利益を上げたときは下記のように計算します。
粗利益35万円÷(10人×10時間)=3,500円
人時生産性は3,500円です。人時生産性をアップさせたい場合は作業にかかる時間を10時間よりも少なくするか、同じ10時間でも多くの粗利益を得る必要があります。
労働生産性を世界で比較したとき、日本の労働生産性は低いといわれています。
2つの会社が同数の生産数量のとき、労働生産性が高いのは総労働時間が少ないほうの会社です。人時生産性においても、同額の粗利益では総労働時間の少ないほうが人時生産性は高いと考えます。
世界において日本は長時間労働の傾向にあります。今後は生産性の効率を高めて、同じ粗利益でも総労働時間を減らすための業務改善が必要です。
人時生産性を向上させるということは、生産効率を上げるということです。日本は少子高齢化が進んでおり、将来は労働人口の減少が予想されています。今後は人時生産性を向上させなければ生産量や利益が減り、貧しい国となってしまうでしょう。
そのため現在ではAIやロボット導入による窓口業務の無人化が進んでいます。自動精算機の導入も、生産性を向上させるひとつの方法です。
人時生産性を向上させるために、人員配置を最適化することをおすすめします。適材適所という言葉があるように、各人材に適した仕事を行ってもらうべきです。
もしもその人材が苦手な作業を行った場合、ムダに時間がかかったり、些細なミスをしてしまうかもしれません。しかしその人材が得意とする作業なら、完成度が高く効率的な作業を行ってくれるでしょう。
人時生産性の向上を目指すのなら、まずは各人材に適した配置を検討しましょう。
人件費を抑えるのも人時生産性の向上に効果的です。人件費を抑えて総労働時間を減らすということになりますが、人員削減は慎重に行う必要があります。
もしも優秀な人材を人件費削減のために減らしてしまった場合、総労働時間数が減ると同時に収益も下がってしまうかもしれません。すると人時生産性は結果として変わらないため、ただ優秀な人材を手放しただけということになってしまいます。そのため人員を削減する際は各人材の能力を見極めて、適切に行うことが大切です。
労働時間を削減すれば、人時生産性の向上につながる可能性があります。まずはムダな労働時間をカットすることが大切ですが、それを実現するためにはITツールの導入が効果的でしょう。
たとえば紙ベースの書類管理をITツールの導入によって効率化したり、AIやロボットによる案内、自動精算機の導入などによって業務効率化を図る方法があります。
生産性の向上には、従業員の高いモチベーションが必要です。やりがいのない仕事を高品質で行うことはできません。またやる気のない従業員は、そもそも生産性を高くしようなどとは考えません。
とくに人時生産性向上の施策を行う場合、人員配置の変更や業務の変化によってモチベーションが低下する可能性もあります。丁寧な説明やこまめなコミュニケーションなどを行い、従業員のモチベーション維持に努めましょう。
自動精算機の導入も、人時生産性の向上に効果的な施策のひとつ。精算を担当するスタッフを削減できるため、業務効率化につながります。またスピーディな自動精算が可能になることで回転率もアップし、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
自動精算機の導入はセキュリティ面でもメリットがあります。釣銭ミスや横領防止に役立つため、金銭面でのトラブル回避にもつながるでしょう。
さまざまな自動精算機の販売会社の中から、店舗の「売上アップ」に寄与する機能に注目。
導入業種の豊富さと顧客満足度を高める機能に注目して導入業種が多く、連動機能が多い3社を紹介します。(2021年4月時点)
スターランド
連動機能 | 12種 |
カラオケ業界No1!POSシステムとの連動で施設を省力化
導入業種
キャッシュレス決済
アルメックス
連動機能 | 9種 |
クリニックの受付から精算、再来受付までトータルでサポート
導入業種
キャッシュレス決済
システムギア
連動機能 | 8種 |
スピードチェックインでホテルフロントの滞在時間を短縮
導入業種
キャッシュレス決済
※2021年4月時点 特化した機能と導入実績が多い順 各社公式サイトを参照 編集チーム調べ