売上金管理において発生しうるリスクや、リスクをおさえるための解決策について解説していきます。
売上金管理のための主な手段としては、銀行への入金や金庫への保険、専用入金機の使用などが挙げられます。それぞれの特徴は次のとおりです。
毎日の店舗の売上金を、銀行に設けた口座へ預けて保管する方法です。窓口やATMに預ける動作が人目にふれることにはなりますが、売上金額がそれほど大きくない場合であれば、手軽で便利な管理方法だといえます。ただ、売上金を預ける銀行が店舗から遠いと、銀行まで行って帰ってくるのに時間がかかってしまうため、業務の効率性という面ではややマイナス面もあります。
売上が高額になる場合におすすめなのが、金庫への保管です。長期間にわたって保管しておくわけにはいきませんが、短期間の保管には便利です。鍵や暗証番号を知るスタッフを少人数にすることで、売上金の紛失や窃盗事件、あるいは内部のスタッフによる不正が起こってしまったりするリスクを抑えるのに有効です。
店舗内に専用入金機を設置し、そこに売上金を投入します。その後の責任は入金機の貸し出し元である警備会社に移るシステムになっています。入金データの抽出や会計処理の手間をかなり省けるだけでなく、盗難のリスクもおさえることもできます。
ひとつ注意しておきたいのは、専用入金機に投入した現金を戻すことはできないということ。両替用のお金や仕入れ金など、必要な現金まで投入してしまわないよう注意が必要です。
売上金を管理するにあたっては、いくつかのリスクが想定されます。
強盗のリスクが高いのは、通常のレジ体制をしいている店舗です。レジのドロア内に現金があることは強盗犯も当然知っているため、狙われやすい状態だといえます。さらに、強盗が発生すれば、店舗で勤務している従業員の安全がおびやされてしまう恐れも出てきます。銀行に入金する際も強盗に狙われてしまう可能性は排除できないと考えるべきです。
内部不正のリスクもあります。従業員は業務上現金を触ることができるため、窃盗や横領といった内部犯罪に手を染めてしまう可能性はゼロではありません。特に、売上金を店舗内に置いておくことで、どうしてもその可能性が高くなります。従業員から聞き出した情報をもとに空き巣や強盗を起こしたという事例もあり。従業員同士の信頼を損なわないためにも、不正のタネにならないよう配慮が必要です。
会計業務を人が行うと、どうしてもヒューマンエラーが発生する可能性はあります。お釣りを渡す際の間違いや売り上げ締め時の現金の数え間違いなど、どのような会計業務においても避けることはできないエラーであるといえます。
開店開始前は、現金のトラブルが起きやすい時間帯です。開店の準備に追われバタバタしていることが多く、レジ内に準備する釣銭の数え間違いといったミスを起こしてしまう可能性があります。
最初の釣銭の金額を間違えると、最終的に現金の過不足を引き起こしてしまいます。どの時点でミスが発生したのか分からなくならないよう、開店開始前の現金管理は徹底して行うようにしましょう。
営業中の金銭トラブルは、お客様に迷惑をかけてしまうことになるため気を付けましょう。釣銭切れの予防のためには事前に十分な予備の釣銭を準備することが必要ですが、過剰に釣銭を準備してしまうと使えない資金が増えるデメリットが。必要な釣銭量を見極めることが大切です。
また、おつりの渡し間違いにも注意が必要です。すべての人的ミスをなくすことは難しいですが、定期的にレジ内の現金を清算したり高額紙幣を預かったときは二重チェックをしたりなどして、できる限りミスをなくしましょう。自動精算機などの導入をする方法もあります。
営業終了後のトラブルとして多いのが、売上金の数え間違いです。ひとりで計上するのではなく、複数人で数えるなどの工夫をしてミスを減らしましょう。その日の売上はその日のうちに計上し売上金を確定することを徹底させることや、売上金の管理をひとりに依存しないような体制づくりを整えることが大切です。
また、閉店後の時間帯を狙った強盗被害にあう可能性も考えられます。営業終了後にはしっかり戸締りをするなど対策をとるようにしましょう。
売上金は金融機関の口座に入金する必要があります。お金の持ち運びは紛失や強盗などのリスクが付きまとい、危険です。なるべく現金を持ち運んでいることが分からないようにする、複数人で持ち運ぶ、同じ時間に入金するのではなく金融機関に行く時間をランダムにするなどの工夫をし、入金時のリスクを減らしましょう。
キャッシュレス決済にすれば金融機関に入金する金額が小さくなるため、入金に行く際のリスクも小さくなります。
営業時間外など無人の時間帯は窃盗のリスクがあるため、現金の保管方法をしっかり考えなければいけません。特に深夜は注意が必要です。店舗内の金庫で保管していたとしても、金庫ごと奪われることもあります。
深夜の時間帯は夜間金庫を利用して店舗に現金を置かないようにすれば、窃盗リスクを減らせるでしょう。それが難しい場合は、防犯灯や人感ライトの設置、セキュリティシステムの導入するなどして犯罪予防対策をしっかり取る必要があります。
店舗運営において、現金の取り扱いは毎日のこと。業務の効率をキープしたまま、しかも、しっかりと安全も考慮された環境をととのえることが急務となります。そのためには、どのような対策を講じる必要があるでしょうか。
強盗をしようとする者であれば、できるだけ防犯体制が手薄になっている場所やタイミングを選んで犯行におよぼうとするはずです。ですから、犯行前に店舗の様子を確認する際、スタッフの数が少なくなる時間帯や防犯カメラが設置されている位置などの下見をおこなっていると考えられます。
そのときに、犯行のターゲットにならないようにすることが大切です。防犯カメラや警備会社のステッカーなどのアイテムを充実させ、防犯体制がしかりしている店舗であることを印象付けるようにしましょう。
一般的なドロアシステムのレジを使用している場合は特に、従業員が手薄になってしまう時間帯をつくらないように指導しておくことが大切です。複数の人間が店内の様子を把握している状態は、犯罪への抑止力になります。また、お客さんが来店した際に、しっかりと相手の目を見てあいさつするように研修などで教育しておきましょう。あいさつもまた、犯罪へのけん制となるからです。
その日の売上金は、なるべくその日のうちに銀行に入金するようにしましょう。現金を移動させるため当然リスクはありますが、売上金の移動は必ず発生します。何日分かまとめて移動させるより毎日入金した方が金額が小さいため、万が一ひったくりなどに遭遇したとしても被害を最小限に抑えられます。
銀行に入金すれば、店舗や自宅での保管とは異なり泥棒に入られるリスクはありません。営業時間内に銀行窓口で入金するのが難しい場合は、ATMや夜間金庫を利用するとよいでしょう。
個人経営の店舗の場合、店主ひとりで売上金を管理する場合もあるかと思います。しかし、店主は営業時間内はもちろん営業時間外も事務作業などで忙しく、売上金の管理まで手が回らなくなってしまうことも少なくありません。
その日のうちに売上金を数えたり、レジに必要な現金を入れて翌日の営業に備えたりすることはとても重要です。店主ひとりで売上金を管理している場合、売上金の管理体制を見直し店主のみに依存しない体制づくりを行いましょう。
売上金管理のルールを作ることも大切です。まず、レジにいくら現金を入れておくか決めましょう。漠然とした金額ではなく、5,000円札が何枚、1,000円札が何枚、100円玉が何枚…といった部分まで細かく決めるとよいです。そして、その現金はレジの中ではなく金庫に保管しておくと、泥棒被害のリスクが減ります。
スタッフがごまかしたり疑われたりすることが起きにくくなることから、売上金管理作業は2人で確認するダブルチェック体制を取ることが理想です。
上述のような対策は、リスクをおさえた売上金管理のためには重要です。ただ、対策をしっかりと実施をしていても、その目をすり抜けて犯罪がおこなわれるケースもあります。
そもそも犯罪を起こさせない体制づくりこそが大切です。店舗の防犯対策を厳重にしたうえで、日ごろから責任者が積極的に従業員とコミュニケーションをとったり、売上金管理方法や現金管理方法を変えたりするなどの工夫が求められます。
より安全な管理のためのひとつの方法として、自動精算機の導入が挙げられます。お客さんが自分で直接会計対応を行うことができる自動精算機であれば、通常のレジドロアよりも安全性は高いといえます。現金を扱える人間が事実上制限されることになるので、外部からの犯行はもちろん、内部犯行のリスクも削減できるはずです。
さまざまな自動精算機の販売会社の中から、店舗の「売上アップ」に寄与する機能に注目。
導入業種の豊富さと顧客満足度を高める機能に注目して導入業種が多く、連動機能が多い3社を紹介します。(2021年4月時点)
スターランド
連動機能 | 12種 |
カラオケ業界No1!POSシステムとの連動で施設を省力化
導入業種
キャッシュレス決済
アルメックス
連動機能 | 9種 |
クリニックの受付から精算、再来受付までトータルでサポート
導入業種
キャッシュレス決済
システムギア
連動機能 | 8種 |
スピードチェックインでホテルフロントの滞在時間を短縮
導入業種
キャッシュレス決済
※2021年4月時点 特化した機能と導入実績が多い順 各社公式サイトを参照 編集チーム調べ