ライバル店対策として戦略を策定するのに重要なのが、観察と分析です。近くにライバル店(競合店)ができたら、まず以下を確認しておきましょう。
まずは自店の顧客を分析して、理解しようと試みましょう。顧客が感じているであろう問題点はなにか、顧客の生活に変化があったか、何を購入しているのかを注意深く観察します。すると、どんな商品やサービスが求められているのか、顧客のニーズや自店の課題を見いだせるようになります。
顧客の行動には必ずヒントがあります。ライバル店対策でなくとも、常に顧客を理解しようとする心がけは店舗運営にとって大切です。
次に、ライバルとなる競合店を観察します。ライバル店の売り方や提案がどのように変化しているかを観察しましょう。自店がライバル店に勝っているところ、競合店が自店に勝っているところを分析します。すると、改めて自分の店舗の強みを見つけ出すことができます。
また、自店にはない競合店の優れているところを発見し、自店にどう取り入れられるかを考えられるようになります。
ライバル店の観察と分析を行ったら、自店の運営についてあらためて確認します。顧客の生活は常に変化しており、変化に合わせたサービスを提供することが競争優位に立つ鍵となります。顧客がどう変化したか、競合店における売り場や対応に変化があったかなど、細かいところまでチェックするのがポイントです。
例えば、季節やトレンドに応じて柔軟に変化できる店舗は、顧客の生活の変化にも沿ってサービスを提供できるため活気があふれています。
ランチェスター戦略とは、兵力数と戦闘機や戦車などの武器性能が戦闘力を決定づけるというもの。弱者が強者に勝つための戦略として、イギリスで戦闘機を開発していたエンジニア「ランチェスター」によって第一次大戦時に提唱されました。
ビジネスに言い換えると、戦力の弱い者(中小企業)は一騎打ちを、戦力の強い側(大手企業)は集団戦闘を選ぶと有利に戦うことができるという法則です。
ライバル店に勝ちたいからと言って、やみくもに行動するだけでは成果は上がりません。自社とライバルの位置関係をしっかりと把握して、より優位な状況をつくり出すことが大切です。
ランチェスター戦略は、大きく以下の2つに分かれます。
ランチェスターの第一法則は、剣や弓矢などの武器で戦う古典的な「一騎打ち」の方法で、弱者の戦略理論とも呼ばれます。
例えば、軍の戦闘力は戦闘員の数と武器の能力で決まります。敵対する相手と同じ能力の武器を持っていた場合、戦闘員の数が戦闘力に比例するという考えです。
小銃やマシンガンなどの兵器を利用した広域での近代戦に適応されるのがランチェスターの第二法則です。第二法則では、戦闘員の数は二乗で計算されます。戦闘員の数の差が大きく影響するため、武器の能力を上げても戦闘員の多いほうに差がついてしまいます。
これが、強者が集団戦闘に有利と言われる理由です。
ランチェスターの第一法則でも紹介したように、ランチェスター戦略は、武器能力が高ければ戦闘員数が少なくても勝てる可能性があります。
市場を絞り込み、自店の強みに特化したサービスを展開することによって、大手企業よりも優位に立てる可能性があるのです。
ランチェスター戦略では、「ナンバーワンを狙う」「シェアを奪う」など明確な戦略の方向性を示すことができます。戦略に沿って具体的な対策を検討できるため、迷うことなくスムーズに戦略を実行できるようになります。
例えば、自店が市場シェア1位ではない場合、弱者の法則を取り入れてニッチな地域性や購買層を探るなど、限定された市場で勝てる見込みを見出せます。
市場におけるシェア率の高い「強者」に対して勝つためには、ビラ配りやクーポン発行、会員組織づくりなど、地道な戦略で着実に成果を上げていく手法もあります。このような戦略で顧客との関係を構築していけば、求められているニーズを分析し、市場でのシェアを徐々に獲得していくことにつながります。
ここからは、ランチェスター戦略をライバル店対策に取り入れる際に実践できる具体的な戦略について紹介します。
地域戦略とは、営業エリアを細分化して限定することで、ナンバーワンを取れる地域をつくることです。全国的にはそれほど知られていないけれど、その地域では絶大な指示を得ているような店舗を目指します。そのためには、地域の特性や文化、世帯数、顧客のニーズや特徴をしっかりと調査することが重要です。
販売チャネル(流通経路)をコントロールしてシェアを広げていく戦略です。店舗販売に限定する、EC販売のみで営業活動をする、BtoBに限定する戦略がこれにあたります。流通戦略によって、自店の商品・サービスと購入が見込まれる顧客層の場所や時間などのギャップを埋めることができます。
営業チームの体制や営業方法、顧客への訪問頻度などを見直す戦略です。営業の「質」と「量」の両方に目を向け、全体を最適にマネジメントできるかが問われます。そのため、個々の営業数値といったミクロ視点ではなく、マクロ視点での目標の打ち立てや全体像の把握が重要です。
市場参入戦略とは、店舗の展開や新製品の開発などで、市場に参入するタイミングを検討する手法です。狙いたい市場の現状をしっかりと把握し、その市場における自店のポジションや製品の強みを見極めて準備を行い、最適な市場参入のタイミングを図ります。
ここからは、実際にランチェスター戦略を行う流れを解説します。ランチェスター戦略のみならず、さまざまなマーケティング戦略に応用できるステップですので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、自店が戦うべき環境を把握することが重要です。マーケティングの調査・分析には、SWOT分析や3C・4C分析など、さまざまなフレームワークを活用します。それらを用いて自店の立ち位置や強みを明確に理解しましょう。分析のフレームワークについては、後ほど詳しく解説します。
マーケティング分析によって自店を取り巻く環境を理解したら、次に自店の強みを発揮できる市場はどこかを探します。シェア率の高い大きな強者がすでに存在している市場の場合、あまり勝てる見込みはありませんが、シェアを奪える弱い相手がいれば、強者の下のポジションを取れるかもしれません。
ナンバーワンを狙える自店の「強み」と勝てる見込みがある市場が見つかったら、優位性を最大限にアピールできるブランディングを考えましょう。「高級食パン専門店」や「タピオカ専門店」など、1つの商品に特化した小型の店舗がトレンド化することがありますが、これらはランチェスター戦略によるブランディングの成功例です。
「○○専門店」と言い切る、店名からこだわりを感じられるなど、強みや特長を分かりやすく伝えるだけでも、優位性を活かしたブランディングにつながります。
自店がどのようなブランディングを展開していくか、市場のどの立ち位置からナンバーワンを狙うかを決めるのに大切なのが、市場におけるポジショニングの把握です。
ライバル店の調査に有効なマーケティングフレームワークについて解説します。自店はもちろん、競合店を取り巻く市場をしっかりと把握し客観的な分析を行うためにも、ぜひ活用してみてください。
SWOT分析とは、自店を取り巻く環境を「内部環境」と「外部環境」に分けて、自店の強みと弱みを把握するためのフレームワークです。内部環境の「強み(Strengh)」「弱み(Weakness)」、外部環境では「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」を洗い出し、自店にとってのプラス面やマイナス面を知ることができます。
視点を偏らせず、現状を客観的に把握したい際に有効です。
3C分析とは、「Customer(市場・顧客)」「Company(自社)」「Competiter(競合)」の3つの「C」にもとづいて市場分析を行う方法です。ライバル店(競合店)と自店を比べつつ、顧客ニーズの開拓や購買意欲の分析、市場規模などを分析できるようになります。
3C分析を活用すると、これから展開しようとしている地域や市場における自店の優位性を把握する際にも役立ちます。
「Customer Value(顧客価値)」「Cost(費用)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」の4つのCからなる「顧客の視点」から、自店やライバル店を調査する手法です。
4C分析を行うと、顧客の求めている価値や価格、利便性、顧客との良好な関係性について戦略を立てられるようになります。顧客の購買行動をもとにライバル店について調査する際にも役立ちます。
さまざまな自動精算機の販売会社の中から、店舗の「売上アップ」に寄与する機能に注目。
導入業種の豊富さと顧客満足度を高める機能に注目して導入業種が多く、連動機能が多い3社を紹介します。(2021年4月時点)
スターランド
連動機能 | 12種 |
カラオケ業界No1!POSシステムとの連動で施設を省力化
導入業種
キャッシュレス決済
アルメックス
連動機能 | 9種 |
クリニックの受付から精算、再来受付までトータルでサポート
導入業種
キャッシュレス決済
システムギア
連動機能 | 8種 |
スピードチェックインでホテルフロントの滞在時間を短縮
導入業種
キャッシュレス決済
※2021年4月時点 特化した機能と導入実績が多い順 各社公式サイトを参照 編集チーム調べ