ホテル業界は深刻な人手不足に陥っていて、企業の約8割が人手不足とも言われています。元々「万年人手不足の業界」と言われてきたホテル業界ですが、新型コロナウイルス感染症に伴う影響で多くの人材が離職し人手不足は落ち着きを見せていました。しかし、新型コロナが落ち着き人々の活動が活発化したことにより再び人手不足が大きな課題となっています。
旅行需要が回復してきたことで、ホテルや旅館では人手が足りていません。満室になると対応しきれず、予約できる部屋数をあえて制限している宿泊施設もあるほどです。
ホテル業界の人手不足は深刻で、マンパワーだけでは解決しそうにありません。そのため、デジタルツールを導入する動きが活発化しています。自動チェックインシステムや精算機などのデジタルツールを活用して、フロントの省人化を実現。空いた時間をその他の仕事に充てることで業務効率化を図ります。
また、海外からの人材獲得を急ぐホテルも増えています。ホテル業界は若者を中心に離職が増えていて、このままだと今後5~10年後に主力となるスタッフが空洞化することが懸念されます。DX化も大切ですが、ホテル業界にホスピタリティー人材は欠かせません。そこで、海外から人材を採用することでサービス力を上げようとしているのです。
ホテルは24時間365日営業しているので、スタッフもそれに対応した仕事をする必要があります。当然ひとりのスタッフが24時間働くことは不可能なため、時間や曜日に応じたシフトを組んで交代制で働きます。日中に働くこともあれば、深夜や早朝のシフトになることも珍しくもありません。
ホテル業界の勤務形態は不規則で、休息や睡眠時間も日によって変わり、生活のリズムが乱れやすいです。そのような生活が長く続くと、体調を崩す人も出てくるでしょう。
また、大型連休などの時期も休まず営業していて、むしろ繁忙期のため家族や友人とタイミングを合わせて休むことができません。人材不足から休日が少ないホテルもあります。仕事がハードなのにも関わらず休みが少ないことから、心身ともに疲れて離職するケースも多いです。
賃金の安さも離職の原因として挙げられます。国税庁の「令和3年度の民間企業の実態調査」によると、宿泊業・飲食サービス業界の年間の平均給与は260万円。全体平均が377万円ということなので、他の業種より低いと言えます(※1)。
休みが少なくハードな上、給与も低いとなれば、労働条件の良い業界に転職しようとする動きが出てしまうのは無理もありません。
人手不足の原因として、ワークバランスへの不満もあるでしょう。ホテル業界ではフロントの夜勤などがあることからシフトの融通が利きづらく、人手不足になればなるほど働いているスタッフに負担がかかってしまう傾向があります。
募集の際も「深夜シフトあり」「土日祝のどこかで必ず入る」などシフトに関する縛りが強いと、退職者がいても新しいスタッフが入りにくいです。結果として、ずっと人手不足を解消されないでしょう。
近年、インバウンド需要の拡大に合わせ、ホテルが数多く建設されました。そんなホテルの建設ラッシュや開業が進む中、肝心のホテルで働く人材は足りていないのが現状です。
残業時間の増加が著しいホテル業界。その背景にあるのは、やはり人手不足です。人材を確保するために、そして現在働いているスタッフの離職を防ぐためには、「働きたい」と思われるような労働環境を整えることが急務です。
そのためには、人事制度や評価方法の見直しが重要になってくるでしょう。残業に関する定めについても見直す余地がある場合は、増加する残業問題への積極的な取り組みを実施したいところです。
50室ほどの規模の、とあるホテルでは、社員4名(うち2名はレストランスタッフ)のほか、パートのスタッフがおよそ20名在籍しています。
人手不足による業務負担を解消するために、「深夜の時間帯はフロントをクローズしてもよいのではないか」という提案がミーティングで出されました。けれども、経年ホテルであるため、設備のトラブル発生可能性が低いとはいえず、やはり常駐スタッフがどうしても必要であるということになりました。
とはいえ、業務負担が改善されないままでは、スタッフの疲労が蓄積し、サービス品質になんらかの影響がでてしまう可能性も否定できません。
また、人手不足に悩むホテルではどこでも、料理を提供したり下げたりする業務や備品の管理などがおろそかになってしまいがちです。顧客満足度低下に直結してしまう運営状態だといえます。
ホテルの人手不足は、上述のとおり顧客満足度の低下を招く大きな要因となってしまうため、売り上げの減少にもつながります。全国旅行支援などの政策により、ホテルや旅館への需要が増加しているにもかかわらず、人手不足が解消されない状態であるため、稼働を落とさざるを得ないという窮地に陥っているのが現状です。
複数のホテル運営をおこなっている業者の中には、人手を確保できないため、施設の半分を休業にするという選択をせざるを得なかった方もいるようです。多くのホテルが、利益損失を少しでも早く解消する必要にせまられています。
ホテル業界の労働環境の悪さは、人手不足の大きな要因となっています。早急に改善しないと、例え人材が入ってきたとしてもすぐ離職してしまうでしょう。人材の流出を防ぐためには、スタッフの負担を減らせるよう業務内容を見直すことや待遇自体を見直すことが不可欠です。
長時間労働の是正や給与水準の引き上げ、シフトの見直しなどを検討し、スタッフの心身の健康維持を図りましょう。労働環境を改善することが成功すれば、スタッフの定着やモチベーションを保つことにつながります。また、女性が多い業界であることから産前産後休暇や育児休暇、介護休暇、時短勤務などの取得を推進したり柔軟な対応が可能な体制作りの検討も必要です。
ホテル業界は毎週のように2連休を取得するのは非常に難しく、人手不足の施設ではそもそも休日をしっかり取得すること自体が難しい場合もあります。しかし、連休が制度化しているホテルは業界の中でも離職率が低いという事例もあり、連休を取得する事で従業員満足度を高めることができるでしょう。
また、学歴による待遇の差をなくしていくことも必要です。例えば4大卒の新卒社員は正社員になれても、専門学校卒の新卒社員は契約社員からのスタートになってしまう例もあります。専門学校で専門的に学びスキルや経験が高いにも関わらず給与などの待遇面が悪いとなれば、従業員満足度の低下を招き、転職を選ぶ人が増えてしまいます。スキルを伴う非正規雇用者を正規雇用化することは、長い目で見て企業にとってプラスとなるでしょう。
ホテルの中でもフロントはホテル全体のコントロールセンター的な役割を担っていて、行う業務は予約管理やチェックイン・チェックアウト対応、インフォメーション、会計など多岐にわたります。現金を扱う業務も多く、会計時の計算間違いや釣銭ミス、悪意ある関係者や外部からの窃盗リスクも抱えていて、神経を使う作業が大半を占めていると言えるでしょう。
フロントで自動チェックインや自動精算機といったデジタルツールを導入すれば、業務の正確性を向上させヒューマンエラーを防ぎ、省力化を実現することができます。フロント業務が効率化すれば、それにかかわるスタッフの時間を削減することができ、その分他のサービスに回すことも可能に。フロント業務を効率化するだけでなく、ホテル全体の業務効率化につながるでしょう。
さまざまな自動精算機の販売会社の中から、店舗の「売上アップ」に寄与する機能に注目。
導入業種の豊富さと顧客満足度を高める機能に注目して導入業種が多く、連動機能が多い3社を紹介します。(2021年4月時点)
スターランド
連動機能 | 12種 |
カラオケ業界No1!POSシステムとの連動で施設を省力化
導入業種
キャッシュレス決済
アルメックス
連動機能 | 9種 |
クリニックの受付から精算、再来受付までトータルでサポート
導入業種
キャッシュレス決済
システムギア
連動機能 | 8種 |
スピードチェックインでホテルフロントの滞在時間を短縮
導入業種
キャッシュレス決済
※2021年4月時点 特化した機能と導入実績が多い順 各社公式サイトを参照 編集チーム調べ